「バブル崩壊」という言葉が一般化し始めた1992年から1993年、日本各地のフィットネスクラブ(会員制スポーツジム)には、一つの追い風が吹いた。
私・大橋は、バブル最中からジムに通っていたが、会員の一人として、業界の追い風を肌で感じた一人だった。

追い風の理由は、新しい「所得税の控除」制度
追い風の理由は、新しい「所得税の控除」制度であった。
厚生省(現:厚生労働省)の指定を受けたフィットネスクラブの利用料金が、1992年7月に、所得税の医療費控除の対象となったためだ。これにより、中高年層(現役ミドル世代)の間で、ジムに通うことが静かなブームになったのだ。
1992年11月、この控除制度の第1回分として、14の施設が指定を受けた。

「エグザス青山カーディオ」店などが指定
フィットネスクラブの大手「ピープル」(当時の社長:掘山修一氏)では、東京・北青山の「エグザス青山カーディオ」店にて、1992年11月からメディカルフィットネス「運動療法コース」を開始した。
毎週月曜と火曜日の午後7時から実施した。会員数はすぐに満杯の状態になり、水曜日も加えた。
一方、「東京アスレティッククラブ」(略称・TAC/当時の社長:正村孝至氏)は、1980年代前半から成人病の予防・改善のための専用コースを設置していた。
また、石川県小松市にある「北陸体力科学研究所」(所長・勝木建一氏)は、当時3500人だった会員のうち数百人が早々に成人病予防コースに参加した。このうちの何割かが1993年3月の確定申告で医療費控除を受けたという。
エアロおじさん、エアロおばさん増加の契機に
平成初期に創設されたこの控除制度は、運動療法が必要と医師が判断した人が対象だった。指定機関で運動療法を受けた場合、その利用料金を控除の対象とするものだった。1回の使用料については5000円以下と制限された。
各社とも1000~5000円の範囲で利用料金を設定しているのがほとんどだった。いずれの施設も専任のスポーツドクターにより、個人にあった運動メニューを作成するため、軽度から重度の人まで安心して運動療法が受けられた。
この制度をきっかけに、ジム通いの楽しさを実感する中高年が増加した。結果として、エアロビクスを愛するおじさん、おばさんたちが増えた。

現在(2026年9月)も制度が継続
なお、この医療費控除の制度は、現在(2026年9月)も続いている。「健康増進施設認定制度」という名称である。医師の指示に基づいて運動療法を受けた際の利用料金は、所得税の医療費控除の対象になる。
詳しくは、以下の「公益財団法人 日本健康スポーツ連盟」のページをご覧下さい。
https://www.kenspo.or.jp/nintei/?utm_source=chatgpt.com
この日本健康スポーツ連盟は、認定施設の調査などを担っている。
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