大橋直久「北海道小樽市(運河と倉庫群)」

小樽は北海道の交通拠点都市である。

港湾中心に発展したためかつては北海道経済の中心であった。

鉄道も市内の手宮から札幌までがまず開通したほどである。

札幌が道の中心として発展するにつれて繁栄が失われてきた。

1966(昭和41)年、かつての交通路であった運河の埋立てが計画された。

この際住民から起こった保存運動、さらにこれを周辺の建物群と合わせて観光資源化すべきとの声に応え運河の一部保存が決定された。

そして運河とその沿岸の建物(主として倉庫)群を活用して、新しい産業観光資源とする計画が出発することとなった。

1980(昭和55)年小樽市は運河保全を機に、「歴史的建造物及び景観保全地域に関する調査」を実施。

小樽運河周辺環境整備計画」を策定し、保存条例も制定された。

対象建物にレンガ倉庫群、67棟を指定し、残された運河の一部と一体となった景観地帯とした。

散策路整備、ライトアップの他ガラス浮き玉、あかりの道等趣向もこらして特色ある観光資源とすべく情報発信を行った。

同時に付近で特産物のガラス製品、オルゴール展示も行い、観光都市としての小樽市の側面を産業観光を通じてアピールして、各地から多くの観光客を集めることに成功した。

産業観光資源(運河、倉庫等)と他の観光資源をひとつのコンセプトのもとに、幅広く連携させまちづくりに結びつけた代表例である。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座