大橋直久「受験問題」

出生率が低下してきたことによって、受験が緩和されることも考えられるが、受験生たちが希望する学校がかち合えば、依然と競い合いは続くことになり、受験競争がなくなることはないであろう。

むしろ、志望校への"近道選び"のための競争に拍車がかかっている現状のようである。

すなわち、より有利さを期待して、"早期教育"など、"お受験"のための対策が話題となっているが、教育を受ける当人より、親同士の競争の傾向が強いようであり、肝心の子どもたちは大人たちに振り回されているといった問題もあるようである。

必死な思いでの進学が人生において、どのようなメリットがあるのだろうか。

親たちが、大学に対して、何を期待しているかについては、進学率があまり高くなかった時代には、「他の人物より有利な人生を送らせたい」というものが多かったと思われるが、大学が大衆化している現在は、大学を出たということが、必ずしも有利な人生のための保障には、なり得ないわけである。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座