大橋直久「産業観光資源の開発」

両市町ともこの施設を改修、イベントホールとして再生した。

また同時にこの施設を中核としてまちおこしをめざして、市町全体の産業観光展開の拠点としたことである。

小坂では「康楽館」周辺をまちのシンボルゾーンとして、建物を活かした石だたみ舗装、ガス灯風街灯を設け「明治百年通り」を造成し、レンガづくりの建物を活用した国際交流広場がつくられた。

旧鉱山事務所も復元され産業遺産の展示館となった。

同町ではさらに「全町まるごと博物館」をめざして、新しい産業観光まちづくりに取り組んでいる。

日立市でも「共楽館」を考える集い(1993(平成5)年)が発足し、その復元と活用への本格的取り組みを始めた。

2001(平成13)年から「産業遺産再発見事業」が日立市の基本計画のなかに組み込まれ、市内の産業遺産を訪ねる「産業遺産めぐり」、煙害防止のため大正時代に植林されたという「さくら」を産業遺産として活用した「さくらまつり」等も開かれるようになった。

「共楽館」で、全国芝居小屋会議(2000(平成12)年)をまた「さくらサミット」(2001(平成13)年)も日立市で開かれる等他地域とも連携をはかりながら、産業観光によるまちづくりを市民参加で進めつつある。

拠点となる資源の開発から地域全体の産業観光資源の開発に発展させまちづくりと結びつけた成功例である。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座