大橋直久「高度経済成長期の産業構造」

高度経済成長期の産業構造の変化と社会の諸階層の再編過程は、家族の子育て・教育のシステムを揺るがせ、それを埋めるようなかたちで、「学歴」や「成績」の世界が入り込み、学歴主義が広がっていったという指摘)がある。

すなわち、産業構造の変化は、親の家業を継ぐことよりも、サラリーマンとなる道を選ばせることに拍車がかかり、そのための有利な手段として、わが子には、「学問」をもたせるべく、教育熱心な親たちが増えることになり、「手に職をもつ」ための進学ではなく、サラリーマン社会を生き抜く手段としての学歴を求めての進学熱が高まっていったといえるのではないだろうか。

また、高度経済成長は日本人の生活に経済的豊かさを実現させ、「もはや、戦後ではない」の言葉に象徴されるように、上向きの生活感覚となり、"一億総中流意識"といわれる、横並び感覚での生活観が定着し、"人並み"意識が生活を支えてきた部分が強かったと思われる。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座