大橋直久「自分の生い立ちや性格」

自分の生い立ちや性格がわかってしまうようで、なんと人生論のようなものがいちばん話しやすいというのは、たとえば、話の第一の条件として、簡単な方法でよいから、人を観察することについて書いていることからもご推察願えると思います。

したがって(7)の身の上相談とか、(10)の同年または後輩と話すことなどは、よくこれからの人生をどうやって生きるかという話と一脈通じてしまう場合があるので、当然得手のほうにはいってくると思います。

ただそれが、(1)(2)(3)と並ばずに(1)(7)(10)となってしまうのは、(7)と(10)の場合は単に示唆を与えたり、共感を呼び起こすだけではなく、ときには実際に行動に移して、いわゆるお世話をしなくてはならないときがあります。

そのためには時間的にも経済的にも余裕がなくてはならないので、すぐには応じきれないことがあるからです。

社会人になると、急に読書力が落ちて、小説を読んだり、美術を鑑賞したりする暇がありませんが、この種の話が割合得意だというのは学生時代からの習慣のようなものです。

昔の高等学校や大学時代のほとんどを友だちとこういう話をして明け暮れたことが、いまだに心のなかに深くしみ込んでいるのです。

これは自分でもよいことだと思っています。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座