大橋直久「5Sをやる以前の問題」

躾とは、決められたことが正しく実行できるように、3S(整理、整頓、清掃)を徹底して行なうことをとおして、習慣づけることである。

よく、「うちの会社は何をやってもダメだ。5Sでものの置き場を決めてももとに戻さないし、仕事のルールを決めても守れるのは最初のうちだけだ。5Sをやる以前の問題だ」

という人がいる。

しかし、5Sとは、その基本的なことができるようなクセをつけることである。

躾ができていると、どう仕事に反映されるか。

オフィスでは、たとえば伝票類には必要な事項がすべて記載され、その後の処理が簡単にできる。

当然、購入依頼伝票や出庫伝票、返品伝票などの発行忘れや未発行などは皆無である。

これで、事務部門の仕事の不効率やトラブルの原因が、ほとんどなくなる。

製造現場だと、決められた標準作業が守られ、もし守れない場合には必ず報告がされるようになる。

品質不良や納期遅れによるトラブルがなくなり、コストダウンができる。

では、どうやって習慣づけを行なっていけばよいのか。

まず、5Sに関する決めごとをつくる。

このファイルは、とりだしたらここに戻しなさいという程度でよい。

大橋直久〜就活生・新社会人のためのマナー講座